財団法人溶接接合工学振興会  

金澤賞

 

当財団初代理事長故金澤 武先生(東京大学名誉教授)の遺志を体して、

溶接接合工学の分野における中堅の技術者に授与するものであります。

 (金澤先生ご略歴) (金澤賞に関する規定) 金澤賞に関する内規) (金澤賞受賞者

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年度 氏名

所属

テーマ名

 

平成22年度

(第7回)

 

中村照美

48歳

独立行政法人物質・材料研究機構主幹研究員

純Arシールドガス中で消耗電極式溶接を可能とするハイブリッド溶接ワイヤの開発と純Ar-GMA溶接システムの実用化
野瀬哲郎

49歳

新日本製鐵株式会社技術開発本部鉄鋼研究所接合溶接センター所長

溶接構造物に対する疲労トータルソリューションの構築

平成21年度

(第6回)

 

上 山 智 之(48歳)

株式会社ダイヘン溶接メカトロカンパニー
第二技術部長

高品質・高効率溶接プロセスの開発とそのシステムの実用化

大井 健次(47歳)

 

JFEスチール株式会社 接合・強度研究部   主任研究員(副部長)   鋼材接合グループリーダー

高エネルギービーム溶接から大入熱溶接にわたる溶接金属および溶接熱影響部の組織制御技術の研究開発と実用化推進

 

 

金澤 武先生の略歴と業績                   

○経歴

 大正9年(1920)9月福井市生まれ。昭和16年(1941)新潟高等学校を卒業。昭和18年(1943)東京帝国大学第一工学部船舶工学科に卒業。同大学院を経て、昭和20年(1945)東京帝国大学第1工学部講師、昭和21年(1946)助教授、昭和31年(1956)教授に就任。工学部応用力学第三講座担任。昭和56年(1981)に退官。36年の長きにわたり東京大学にあって、その深い学識と高邁な人格によって、研究と教育に多大な貢献をした。多くの後進・子弟の教育と指導、産官学にわたり、技術者、研究者、指導者を多数育成した。東京大学退官後は名誉教授の称号を受け、その後も長崎総合科学大学教授、千葉工業大学教授を歴任。後進の教育を続けた。

 学外にあっても、(社)日本造船学会、(社)溶接学会、(社)日本溶接協会、(社)高圧力技術協会、(社)鉄鋼協会、(財)日本海事協会において、要職を歴任し、産業界を含めて、技術開発の指導をしました。特に、社団法人日本高圧力技術協会会長、財団法人溶接接合工学振興会理事長として学界,産業界の指導にあたられた。

 国際的な場においても指導力を発揮され,国際船体構造会議、国際溶接会議、国際圧力容器工学会議等において日本代表及び、議長として活躍されている.またその見識と深い学識によって日本学術会議第12期会員となり、工学の発展に尽力された。

 研究面では,多大な研究成果によって、助教授の時代から数多の学会賞・学術賞を受賞されている。日本造船学会賞、溶接学会賞、鉄鋼協会賞の他,昭和43年(1968)には藤原科学財団藤原賞を、61年(1986)には東レ科学振興財団 東レ科学技術賞を授賞されている。昭和57年(1982)にはこれらの世界的な業績に対して紫綬褒章、平成2年(1990)勳二等瑞宝章を授賞されている。

○研究業績

 研究は応用力学の広範な範囲に及び、中でも鋼材の脆性破壊研究の世界的権威として精力的に活躍された。初期の全溶接船に頻発した脆性破壊事故の解明に関連して行われた一連の先駆的かつ主導的な研究を行い、数多くの業績を挙げた。脆性破壊理論の展開、いまでは世界標準となった独創的な二重引張試験法の開発、クラックアレスターの研究、さらに欠陥評価法及び、破壊管理制御システムの開発など、多岐にわたる先端研究の陣頭に立ち、多大な成果を収めました。これらにより、鋼構造物の破壊防止技術の確立に大きく貢献。又日本における破壊力学の先駆的研究として歴史に残る業績を挙げた。

○産業発展への功績

これらの成果は、材料力学、破壊力学、構造工学、溶接工学等の各分野の技術水準の向上に大きく寄与しており,また、造船ばかりでなく、鉄鋼業を中心とする関連産業分野に広く適用されました。戦後の重工業の復興、成長、安定期に、世界をリードする破壊防止技術によって、先生の研究業績は重工業分野での信頼性、健全性や安全性に多大な貢献をしている。  平成15年(2003)逝去 82.

金澤賞受賞者一覧

年度 氏名

所属

テーマ名

平成21年度

(第6回)

 

上 山 智 之

48歳

株式会社ダイヘン溶接メカトロカンパニー
第二技術部長

高品質・高効率溶接プロセスの開発とそのシステムの実用化

大井 健次

47歳

JFEスチール株式会社 接合・強度研究部   主任研究員(副部長)   鋼材接合グループリーダー

高エネルギービーム溶接から大入熱溶接にわたる溶接金属および溶接熱影響部の組織制御技術の研究開発と実用化推進

平成20年度

(第5回)

 

輿石 房樹

49才

株式会社 神戸製鋼所

溶接カンパニ−

技術開発部長

新しい溶接材料・溶接プロセスの開発・実用化

瀬渡 賢

46才

川崎重工業株式会社 

技術開発本部

システム技術開発センタ−

製造技術部 接合技術科

上級専門職

各種輸送用機器および原動機における溶接自動化技術の開発と実用化

平成19年度

(第4回)

 

依田正樹

48才

 

株式会社 東芝

原子力機器設計部

容器・構造設計主査

レーザーを応用した原子力内構造物の検査、補修、予防保全技術の一体化に関する開発と実用化。

結城正弘

49才

 

株式会社 IHIシバウラ

生産センタ−

副センター長

大型溶接構造物に対する溶接・接合技術の研究開発と実用化推進。
平成18年度

(第3回)

黒澤孝一

49才

株式会社 日立製作所   電力グループ日立事業所  原子力設計部      主幹技師(部長担当職)

原子力機器溶接部の遠隔補修技術、溶接残留応力低減技術の開発及び実用化

名山理介

51才

三菱重工業株式会社  技術本部         技術企画部 部長

溶接・接合技術の研究開発と実用化推進。特に、溶接部の信頼性向上を目的とした電子ビーム溶接施工技術及び残留応力低減技術の開発実用化。

平成17年度

(第2回)

古賀信次

49才

川崎重工業(株)技術開発本部システム技術開発センター製造技術部接合グループグループ長

最新溶接・接合法の実適用推進、および新材料の溶接技術確立

小川和博

49才

住友金属工業(株)総合技術研究所部長研究員

石油、ガス、電力等のエネルギー分野で使用される高性能鋼の溶接性向上のための研究開発と実用化。特にインバー合金製LNG配管のための溶接冶金技術および溶接性に優れた石油輸送用スーパー二相ステンレス鋼管の開発実用化

平成16年度

(第1回)

古川一敏

53才

愛知産業株式会社

取締役 第1事業本部長

生産性、省エネルギー性、環境性などに優れた各種抵抗溶接機の研究開発と実用化(GT方式LNG船アンバーメンブレンタンク用全姿勢自動シーム溶接機の開発実用化)

石川 忠

50才

新日本製鐵株式会社

鉄鋼研究所

接合技術研究センター長

高アレスト鋼板を活用した船体構造の安全性向上技術の実用化